第108話 村【むら】  << >>

村人が恐怖とともにお供えをするのも道理、振る舞われた食事も他の者の10倍も平らげそれでも不満げとはいかほどの妖怪か。朝昼夕と三食では足らずさらにはオヤツに夜食に外部からのエネルギー供給はとどまる事を知らない。人は40日ぐらいは水だけでも生きられる、それを逞しいとも言うが、我が輩の目から見れば脆弱な人の器。口に含んだ一粒の大豆をマッハのスピードで眉間に打ち付ければ苦も無く崩れ落ちる。
ただ一人を除いて。
噂を真実に変え探偵助手としての労をねぎらわれて、夜は更ける。

「オレもすぐに……そっちへ行くから」
夜陰に乗じて幽かな謎の気配が囁いている。


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